経営戦略の伝え方について思うこと

motegi (2011年08月05日 11:22) | コメント(0) | | トラックバック(0)

「経営戦略」と一言で言っても、その定義は多くの人の手によって様々な形で伝えられています。

そうした定義は、もちろん、どれも誤っているわけではなく、自社の事業活動に指針を与えるためにも、自分が理解しやすいものを選択すれば良いのだと、私は思います。

例えば、「企業を取り巻く環境との関わりについて、企業を成功に導くために何をどのように行うかを示したもので、企業に関与する人たちの指針となり得るもの(淺羽茂「経営戦略」)」という定義だと伝わり易いのではないでしょうか。

 

今回は、経営戦略について思うことを少し書いてみたいと思います。

私が経営戦略について説明するときには、「自分の会社が「なりたい姿」「あるべき姿」になるための作戦を考えることですよ。」と説明しています。

 

以前も書きましたが、「なりたい姿」「あるべき姿」は「経営理念」という形で表されます。

そして、そこに近づく方法が「経営戦略」なのです。

「なりたい姿」「あるべき姿」に近づくために、自社のどんな強みを活かせばいいのか、不足しているものは何か、どういったところにチャンスがあるのか、避けた方がいいものはなにか,etc、自分の会社の現状をよく分析したうえで、様々な要素を組み合わせ活用しながら事業を進めていく方法を戦略として考えていくのです。

考え出した経営戦略は、自社で働くスタッフに浸透し、「なりたい姿」「あるべき姿」を目指して事業活動を行っていく。

 

ただ、私がいろいろな企業の戦略についての紹介を受ける時、いつも感じるのは、「この会社の戦略は、きちんと従業員に理解されているのだろうか?」ということです。

皆さんの会社で働く従業員に、自社の「経営戦略」について説明できる人は何人いますか?

 

もちろん、大企業であれば経営戦略の下に事業戦略等があって、部門や階層ごとの戦略を理解したうえで、経営者の目指すべき方向を分かっていればいいのですが(本当はしっかり理解した方が良いと思います)、中小企業の場合、多くが「経営戦略=事業戦略」となる場合が多く、そのため、従業員が会社が行おうとしていることをきちんと理解している必要があるのです。

 

御社では、「経営戦略」を説明する際に、難しい言葉やかっこいい言葉で飾り立てていませんか?

「経営戦略」は、会社が行おうとしていることの指針となるものです。従業員は、その指針を理解し、「なりたい姿」「あるべき姿」を目指して仕事に取り組みます。

そこに、難しい言葉やかっこいい言葉は必要でしょうか?

私は、「経営理念」と、それを目指すための「経営戦略」は、自社で働くスタッフが正しく理解すべきだと考えています。そうでなければ、会社が一丸となって前に進むことは難しいのです。

 

経営者の大切な役割として、「経営理念」を考え、その実現のための「経営戦略」の立案があります。

何のために、「経営戦略」の立案に取り組むかを考えると、そこに難しい言葉や飾り立てる言葉は必要ないことは明白です。

必要なのは、「なりたい姿」「あるべき姿」を目指してスタッフ一丸となって前に進めることのできる指針とそれを解り易く説明する言葉ではないでしょうか。

 

「経営戦略」を立案する際には、是非、そのようなことを意識してみてください。

きっと、従業員のベクトルが、「経営理念」の実現に向けて同じ方向に揃い始めるはずです。

 

今日も、お読みいただき、ありがとうございます。

皆様が、素敵な毎日を過ごされますように。

 

 

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