お店に行こう

motegi (2011年08月15日 22:15) | コメント(0) | | トラックバック(0)

長く流通業界を見てきて、最近とみに思うのは、自分はお店が大好きなんだな~ということです。

専門店であれ、量販店であれ、お店に行けば、必ずと言っていいほど新しい発見があります。

そのような発見があるから、いつ行っても「お店は楽しい場所!」なんだなぁと思うのです。

 

そして、そんなお店を楽しく見させてもらってるときに、成功するお店に共通するものがあることに気付きました。

皆さんは、思わずふらっと入るお店やお気に入りのお店の判断基準はどこにあると思いますか?

品揃えでしょうか?

あるいは、接客・サービスでしょうか?

または、お店の雰囲気でしょうか?

 

どれも正解ですし、決まった答えはないと思います。

しかし、成功しているお店に共通していることが1つあります。

それは、

「うちのお店は、こんな風になりたいんですよ!」

という意思が感じられることです。

 

経営用語で言うと、「ストアコンセプトが明確になっている。」というところでしょうか。

 

これって、簡単なようでいて、意外と難しいのです。

なぜなら、お店の運営上、現金の獲得が最優先事項となる等、本来目指しているお店の理想像から、ついつい離れてしまうことが多いからです。

 

コストを気にするあまり、商品のクオリティを下げていませんか?

売上を求めるために、本来取り扱わなくて良い商品を前面に押し出していませんか?

効率を追い求めるあまり、接客やサービスがないがしろになっていないですか?

 

例えば、私が見た中で、このようなお店がありました。

それは、とある町の商店街にある小さな刃物を扱うお店のお話です。

そこで扱う刃物は、プロの料理人が贔屓にするような高品質の刃物を沢山取り扱うとともに、店主は、要望があれば、持ち込まれた刃物を丁寧に砥ぎ、お客様からの刃物の扱いについての相談なども親身になって聞くことから、刃物を扱う料理人などから厚い信頼を受けていました。そのため、お客様のほとんどがリピーターでした。

ただし、新規のお客様はなかなか増えないことがお店の悩みでした。

なぜ、このお店に新規のお客様がなかなか増えなかったのでしょうか。

 

実は、日銭を稼ぐために、店頭に刃物とは関係のない安価な雑貨を大量に陳列するとともに、お菓子などの食料品も店頭に並べていたためです。

商店街を歩く人から見ると、そのお店は、安物の雑貨とお菓子が大量に並ぶよろづ屋にしか見えなかったのです。

しかし、そのお店の奥では、選び抜かれた高品質の刃物が並び、卓越した刃物を砥ぐ技術を持つ店主のいるスペシャルな刃物店なのです。

 

もちろん、日銭を稼ぐことは重要ですし、安価なものを扱うことも大切です。

ただ、それが本当に自分の売りたいものを阻害していないでしょうか?

ストアコンセプトから大きく外れてはいないでしょうか?

 

先の刃物店も、実は高品質な刃物を扱うということと店主の刃物を砥ぐ技術が色々なところに知れ渡っており、遠方からわざわざ来店する人もいるくらいのお店なのですが、自分のお店の持つ「強み」を消すようなお店づくりをしてしまったため、新規のお客様に気付かれにくいお店になっていたのです。

 

もちろん、単に自分の好きな商品を並べるだけではなく、収益を上げるために戦略的に品揃えや接客・サービスを行う必要があります。

ただし、大前提として「お店の主張がお客様に伝わるようなお店づくりが出来ているか。」を常に確認する必要があるのです。そうしないと、先の刃物屋のように、お店の「強み」が伝わりづらくなってしまいます。

 

自分が大好きなお店や、思わず入ってしまうお店が気になるのは何故でしょう。

そんなことを考えながらお店に行ってみると、お店の主張が店頭から溢れ出てくるのを感じませんか?

そして、それが分かったとき、ますますそのお店のことが好きになるはずです。

 

自分が好きなお店は、どんなことを主張してきていますか?

そして、自分だったらどんな主張をするお店をつくりたいですか?

 

そのことを確かめるため、是非、大好きなお店に行って、そのお店が伝えたいと思っていることを感じ取ってみてください。

それが、あなたのお店をつくる大きなヒントになるかもしれません。

 

今日も、お読みいただき、ありがとうございます。

皆様が、素敵な毎日を過ごされますように。

 

 

かわいい本屋さんの前で - 写真素材
(c) KAZUMI写真素材 PIXTA

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