意識の矢印
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|しばらくBlogの更新が滞っておりました。
この一カ月くらいの間で、研修講師、仲間内での講演、会議でのファシリテーターと、人前で沢山のことを話す機会に恵まれました。
色々とお伝えしたいこともあり、十分な準備をしてから人前で話すようにしていますが、それでも、まだまだ緊張してしまいます。でも、この緊張感は、なかなか楽しいものです。
さて、今日はリーダーの話の聴き方について、少し考えていきたいと思います。
皆さんは、会話するときにこんな風に人の話を聞いていませんか?
例えば、私が
「私、ネコが大好きなんですよ。ただ、今住んでいるマンションはペット禁止なので、もっと広いところに引っ越した際には、絶対にネコを飼おうと思うんですよ。ネコって、気まぐれでいいですよね。それでいて、しっかり飼い主に甘えてくるあたりはなんだかキュンときてしまいますよね~。」
という話をしたとします。
そのとき、皆さんは、
「いや、私は断然イヌ派だな。」
「ネコはかわいいけど、世話をするのが大変なんだよな~。」
「ネコの気まぐれって、なんかいまいち好きになれないんだよね・・・。」,etc
このような話の聴き方は、残念ながらリーダーとしての話の聴き方とは言えません。
なぜでしょうか?
(c) KIYO|ストック写真 PIXTA
それは、私の話を聞きながらも、「意識の矢印」が自分に向いているからです。
皆さんは、人の話を聞きながら、その内容に自分を投影させて、自分のことで考えていませんか?
これは、「意識の矢印」が自分の方向を向いている状況と言えるでしょう。
リーダーが、会話の中でスタッフが伝えようと思っていることをきちんと捉えるためには、「意識の矢印」を相手に向けてあげることが重要です。
上の私の会話を、相手に「意識の矢印」を向けて聴くとしたら、このような聴き方になると思います。
「私、ネコが大好きなんですよ。ただ、今住んでいるマンションはペット禁止なので、もっと広いところに引っ越した際には、絶対にネコを飼おうと思うんですよ。ネコって、気まぐれでいいですよね。それでいて、しっかり飼い主に甘えてくるあたりはなんだかキュンときてしまいますよね~。」
「なるほど、ネコが好きなんだ。でも、なんでネコが好きなんだろう?」
「ネコが好きっていう話で、相手は何を伝えようとしているんだろう?」
「今の住まいから引っ越そうとしているのかな?」
いかがでしょうか?「意識の矢印」が相手に向いているのが分かりますか?
リーダーとして「話を聴く」場合、まず、「意識の矢印」を相手に向けてあげること。
その上で、相手について疑問に思ったことや意見を質問の形で投げかけてみる。
つまり、テニスのラリーを続けてあげるような聴き方をすることで、自然と相手の会話量が増えていくのです。
そうすることで、部下は話しやすいと感じるとともに、リーダーに対して「話を聴いてくれる人」という印象を持ち、信頼性も向上していくのです。
(c) jazzman|画像素材 PIXTA
ちなみに、「聞く」と「聴く」の違いって、わかりますか?
「聞く」は、受動的に音を聞くこと。音が聞こえてくるときに使います。
一方、「聴く」は、能動的に音を聴くこと。「音楽を聴く」などのときに使いますね。
そのため、返事をするときの漢字も違ってきます。
「聞く」に対しては、「答える」。解答するのは、問題を受けて解答しますよね。つまり、受動に対する返事となります。
一方、「聴く」に対しては、「応える」。聴いたことに、積極的に応じる。つまり、能動的な返事となります。
また、「聴く」と「応える」は、両方とも漢字の中に「心」が入っています。
つまり、「心をこめて聴いたことに対して、心をこめて応える」のです。
リーダーは、能動的に意識の矢印を部下に向けて、話を聴く。そして、心をこめた会話を意識すること。
まさに、リーダーに求められている話の聴き方なのではないでしょうか。
以上、今日は、「リーダーの聴き方」について、少しだけお伝えしました。
もし、部下とのコミュニケーションが上手くとれないというようなお悩みをお持ちでしたら、是非、「意識の矢印」を相手に向けることに集中してみてください。
それだけで、部下が少しずつ話をし始めてくれることと思います。
今日も、お読みいただき、ありがとうございます。
皆様が、素敵な毎日を過ごされますように。
(c) フクザトユキオ|写真素材 PIXTA
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